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    シナリオの役割

    Last update: 2021/01/12 by 管理人

    工藤英人さんの講座メモ (死印・アナザーエデンシナリオ担当)

    ゲームにおけるシナリオの役割

    • ゲームに物語をつけるのはなぜ?
      • 1.プレイヤーにゲームの目的を与える
        • 目的があるとプレイに没頭できる面白みがある
      • 2.達成感を与える
        • 達成感による面白みがある
      • 3.感情移入をさせる
        • 感情の揺さぶりによる面白みがある
    • 物語がないゲームもある
      • テトリス
      • テトリスに物語をつけると?
        • それはそれで面白い
        • メインゲームを損なわずに、面白みの幅が増やせる
    • ゲームにおける物語の主題
      • プレイヤーを導く

    シナリオとは、プレイヤーにゲームを愉しませるための『ツール』である。
    主役は、あくまでゲームである。

    ゲームシナリオの要素

    物語を構成する 5 つ要素

    • 1.主題
      • そのゲームが目指しているユーザー体験はなにか?
        • わくわく
        • 胸きゅん
        • 恐怖
    • 2.世界観
      • 物語の舞台となる世界設定
        • 中世西洋
        • 江戸時代
        • 現代
        • 未来
    • 3.キャラクター
      • 主人公
      • ヒロイン
      • 個性的な仲間
    • 4.展開・構成
      • 物語の筋・ストーリーライン
        • 必要となる会話はどこのポイントか、から見極める⚒️
      • サブシナリオ
      • イベントシナリオ
    • 5.文体・文法
      • ゲームの仕様に合わせた文章・文体
        • 小説や映像脚本とは大きく違う点
        • 特にゲームジャンルによって大きく変わる
        • 主人公が喋る、しゃべらない
        • 地の文あり、なし
        • 文字数制限にに合わせた記述
      • 演出とシナリオ表現を組み合わせる

    ゲームシナリオで重視する要素

    キャッチーな要素を作り出し、ゲームに没入させること。
    セールスにもつながる。

    以下の 3 点が最重要

    • 1.ゲームの導入と継続
      • プレイヤーを引き込む
      • プレイヤーを飽きさせない
    • 2.世界観の提示
    • 3.人物創造
      • 共感を得るためのキャラクター

    世界観

    「ゲームの主題」を表現するために、適切に設定された舞台・世界を構築する。
    「見たい・体験したい」と思わせるような世界観設定をプレイヤーは望んでいる。

    • 剣と魔法の世界で戦うゲーム
      • 中世西洋風異世界
      • 中華風異世界
      • 和風異世界
    • 銃撃戦を楽しむゲーム
      • 未来世界
      • 現代

    世界観の設定に必要な要素

    宗教 / 文化 / 人種 / 地理 / 経済 / 言語 / 気候 / 技術 / 歴史 ...etc

    かなり大変なので、まずは主題に合わせて必要な設定から作り込む

    • ファンタジーの世界観設定の例
      • 国家
      • 人種
      • 文明レベル
      • 宗教
      • 魔法 🤯

    魔法は何から発生するのか?
    エネルギーの根源はなにか?と、突き詰めていくと世界に奥行きが出る。

    • 神・精霊
    • 生物の心
    • 宝石・鉱石

    キャラクター

    キャラクターはプレイヤーをゲーム世界に没入させるための人物。
    当たり前だが、主人公とヒロインが重要。

    魅力的なキャラクターを作るとは、「人間の魅力を書く」ということ。
    これはつまり、人間讃歌を行うということである。

    キャラクターの作り込み

    • 名前
      • 仮でもいいので、一番初めに決める。設定が固まった後だと非常に難しい
    • 年齢
    • 性別
    • コンプレックス
    • トラウマ
    • 容姿
    • 生い立ち
    • 目的
    • 好き・嫌い
    • 能力・特技

    キャラクターに命を吹き込むには「行動原理」を設定する。
    行動原理とは、その行動への理由を持っていること。

    • トラウマ
    • コンプレックス
    • ポジティブな目標

    これらにより、キャラクターの生い立ちが掘り下げられ、人物像が作り込まれていく。
    キャラクターのポジティブな目標に共感できると、プレイヤーも自然とその目標を達成したくなる。
    目標には短期的目標・長期的目標がある。

    • 短期的目標
      • さらわれたヒロインを助ける
    • 長期的目標
      • 地球を救う

    フレーバーテキスト

    ゲーム中に表示される"それらしい"テキスト。

    キャラクターのセリフもそのうちの一つ。
    ゲームプイレイヤーは、キャラクターイメージに合った「それらしさ」を求める。

    • ドラゴン
      • 尊大で上から目線
      • 汝、我などと言う
    • 主人公
      • 会敵
      • 攻撃
      • 負傷
      • 勝利・敗北
    • ヒロイン
      • ホーム画面でのリアクション

    展開・構成

    ストーリーの型を利用する。 分かりやすい物語の型を利用することはメリットが多い。

    • ゲームプレイヤーが安心する
      • ゲーム自体に没入しやすくなる
      • 目標が分かりやすくなる

    ただし、型そのままでは、ありきたりすぎるため、「意外性」を加える必要がある。
    型から外した部分がオリジナリティとなる。 物語に奥深さを加え、プレイヤーの好奇心を満足させる。

    • RPG の型
      • 主人公が世界を旅する
      • 様々な仲間と出会う
      • 仲間と協力して悪を倒し、世界を救う
    • 乙女ゲームの型
      • どこにでもいるような女の子が主人公
      • ちょっとしたきっかけで、幾人ものイケメンと出会う
      • 彼らから愛されるようになる
    • アイドルゲームの型
      • プロデューサーがアイドルグループの運営を任される
      • プロデュースする様々な女の子に愛される
      • 彼女たちが有名になるために奮闘する

    運命の子テンプレート

    RPG の型の詳細。非常によく使われる。
    プレイヤーをゲームに引き込む王道の型。 ある意味でありきたり。

    • 主人公
      • 世界を救う・変革することを運命づけられた人
      • 血筋
      • そこらへんの占い師に言われたなどでも良い
    • ストーリー
      • 特殊な才能を持った主人公
      • 個性的な人物たちと出会う
      • 巨悪との戦いを通して、自分の運命に気づく
      • 自らの選択で、世界を救う(変革する)

    ポイントは、主人公が葛藤し、自らの選択を行う部分。 王道の型に葛藤を入れると面白くなる。

    桃太郎はまさに典型。
    桃太郎を分析する。

    • 特殊な才能
      • ももから生まれた
      • 世界を救う運命の暗示
    • 個性的な人物
      • いぬ / さる / きじ
    • 巨悪との戦い