シナリオの役割
工藤英人さんの講座メモ (死印・アナザーエデンシナリオ担当)
ゲームにおけるシナリオの役割
- ゲームに物語をつけるのはなぜ?
- 1.プレイヤーにゲームの目的を与える
- 目的があるとプレイに没頭できる面白みがある
- 2.達成感を与える
- 達成感による面白みがある
- 3.感情移入をさせる
- 感情の揺さぶりによる面白みがある
- 1.プレイヤーにゲームの目的を与える
- 物語がないゲームもある
- テトリス
- テトリスに物語をつけると?
- それはそれで面白い
- メインゲームを損なわずに、面白みの幅が増やせる
- ゲームにおける物語の主題
- プレイヤーを導く
シナリオとは、プレイヤーにゲームを愉しませるための『ツール』である。
主役は、あくまでゲームである。
ゲームシナリオの要素
物語を構成する 5 つ要素
- 1.主題
- そのゲームが目指しているユーザー体験はなにか?
- わくわく
- 胸きゅん
- 恐怖
- そのゲームが目指しているユーザー体験はなにか?
- 2.世界観
- 物語の舞台となる世界設定
- 中世西洋
- 江戸時代
- 現代
- 未来
- 物語の舞台となる世界設定
- 3.キャラクター
- 主人公
- ヒロイン
- 個性的な仲間
- 敵
- 4.展開・構成
- 物語の筋・ストーリーライン
- 必要となる会話はどこのポイントか、から見極める⚒️
- サブシナリオ
- イベントシナリオ
- 物語の筋・ストーリーライン
- 5.文体・文法
- ゲームの仕様に合わせた文章・文体
- 小説や映像脚本とは大きく違う点
- 特にゲームジャンルによって大きく変わる
- 主人公が喋る、しゃべらない
- 地の文あり、なし
- 文字数制限にに合わせた記述
- 演出とシナリオ表現を組み合わせる
- ゲームの仕様に合わせた文章・文体
ゲームシナリオで重視する要素
キャッチーな要素を作り出し、ゲームに没入させること。
セールスにもつながる。
以下の 3 点が最重要
- 1.ゲームの導入と継続
- プレイヤーを引き込む
- プレイヤーを飽きさせない
- 2.世界観の提示
- 3.人物創造
- 共感を得るためのキャラクター
世界観
「ゲームの主題」を表現するために、適切に設定された舞台・世界を構築する。
「見たい・体験したい」と思わせるような世界観設定をプレイヤーは望んでいる。
例
- 剣と魔法の世界で戦うゲーム
- 中世西洋風異世界
- 中華風異世界
- 和風異世界
- 銃撃戦を楽しむゲーム
- 未来世界
- 現代
世界観の設定に必要な要素
宗教 / 文化 / 人種 / 地理 / 経済 / 言語 / 気候 / 技術 / 歴史 ...etc
かなり大変なので、まずは主題に合わせて必要な設定から作り込む
- ファンタジーの世界観設定の例
- 国家
- 人種
- 文明レベル
- 宗教
- 魔法 🤯
魔法は何から発生するのか?
エネルギーの根源はなにか?と、突き詰めていくと世界に奥行きが出る。
- 神・精霊
- 生物の心
- 宝石・鉱石
キャラクター
キャラクターはプレイヤーをゲーム世界に没入させるための人物。
当たり前だが、主人公とヒロインが重要。
魅力的なキャラクターを作るとは、「人間の魅力を書く」ということ。
これはつまり、人間讃歌を行うということである。
キャラクターの作り込み
- 名前
- 仮でもいいので、一番初めに決める。設定が固まった後だと非常に難しい
- 年齢
- 性別
- コンプレックス
- トラウマ
- 容姿
- 生い立ち
- 目的
- 好き・嫌い
- 能力・特技
キャラクターに命を吹き込むには「行動原理」を設定する。
行動原理とは、その行動への理由を持っていること。
- トラウマ
- コンプレックス
- ポジティブな目標
これらにより、キャラクターの生い立ちが掘り下げられ、人物像が作り込まれていく。
キャラクターのポジティブな目標に共感できると、プレイヤーも自然とその目標を達成したくなる。
目標には短期的目標・長期的目標がある。
- 短期的目標
- さらわれたヒロインを助ける
- 長期的目標
- 地球を救う
フレーバーテキスト
ゲーム中に表示される"それらしい"テキスト。
キャラクターのセリフもそのうちの一つ。
ゲームプイレイヤーは、キャラクターイメージに合った「それらしさ」を求める。
- ドラゴン
- 尊大で上から目線
- 汝、我などと言う
- 主人公
- 会敵
- 攻撃
- 負傷
- 勝利・敗北
- ヒロイン
- ホーム画面でのリアクション
- 敵
展開・構成
ストーリーの型を利用する。 分かりやすい物語の型を利用することはメリットが多い。
- ゲームプレイヤーが安心する
- ゲーム自体に没入しやすくなる
- 目標が分かりやすくなる
ただし、型そのままでは、ありきたりすぎるため、「意外性」を加える必要がある。
型から外した部分がオリジナリティとなる。
物語に奥深さを加え、プレイヤーの好奇心を満足させる。
- RPG の型
- 主人公が世界を旅する
- 様々な仲間と出会う
- 仲間と協力して悪を倒し、世界を救う
- 乙女ゲームの型
- どこにでもいるような女の子が主人公
- ちょっとしたきっかけで、幾人ものイケメンと出会う
- 彼らから愛されるようになる
- アイドルゲームの型
- プロデューサーがアイドルグループの運営を任される
- プロデュースする様々な女の子に愛される
- 彼女たちが有名になるために奮闘する
運命の子テンプレート
RPG の型の詳細。非常によく使われる。
プレイヤーをゲームに引き込む王道の型。
ある意味でありきたり。
- 主人公
- 世界を救う・変革することを運命づけられた人
- 血筋
- そこらへんの占い師に言われたなどでも良い
- ストーリー
- 特殊な才能を持った主人公
- 個性的な人物たちと出会う
- 巨悪との戦いを通して、自分の運命に気づく
- 自らの選択で、世界を救う(変革する)
ポイントは、主人公が葛藤し、自らの選択を行う部分。 王道の型に葛藤を入れると面白くなる。
桃太郎はまさに典型。
桃太郎を分析する。
- 特殊な才能
- ももから生まれた
- 世界を救う運命の暗示
- 個性的な人物
- いぬ / さる / きじ
- 巨悪との戦い
- 鬼