マーケティング
Last update: 2021/01/12 by 管理人
日比野克彦氏(「A 列車」「ルナティックドーン」)、経営コンサル、マーケティング戦略担当の講座メモ
2015 年の内容なので、内容が古いです。
マーケティングとは
マーケティングとは、マーケットにおける交換活動である。
ここでは、マーケット=ゲーム市場、あるいはゲーム業界を指す。
ゲーム業界の構造は以下の通り。
マーケティング活動は、企業、顧客、パートナー全てに利益となるものである。
結果として、社会全体の価値の創造となる。
ゲームの歴史をマーケティング視点で紐解く
マーケティングの歴史でゲームの歴史を見ていく。
時代が進むにつれて、以下のように変化してきた。
- 生産志向のマーケティング時代
- とにかく物資が不足している
- 作ればとにかく売れる
- ゲームでもそういう時代があった。ファミコン出たて。
- 製品志向のマーケティング時代
- 供給が増え、製品同士が比較され始める
- 良い商品、すごい商品を作れば売れる
- 現在も一部残っているが、主流ではない
- ゲームでは、高性能ハードや3 D 対応、メモリのビット数競争の時代
- 販売志向のマーケティング時代
- 供給が販売を上回る時代
- CM などを打ちまくり、どのような方法法でもいいから売る
- 顧客のニーズ、ウォンツを無視した売り方、ある種騙しでもある
- 顧客志向のマーケティング時代
- ニーズを考慮し、求める商品を作らないと売れなくなった
- マーケティング論ではここを対象とする
供給が増えるにつれて、顧客志向のマーケティングに変化してきたことを覚える。
近年では発展型として以下のようなものも生まれている。
- ソーシャルマーケティング時代
- 企業と顧客だけでなく、社会全体を視野に入れたもの
- 消費者は満たされると、消費が停滞する
- 消費に罪悪感すら覚える場合もある
- 社会全体の利益を考えて、長期的視点に立ってマーケティングを行う
ソーシャルマーケティングという観点で見ると、
ゲームはシリアスゲーム、知育ゲーム等の分野が広がっていくだろう。
- シリアスゲーム
- 社会問題を解決する、問題提起するゲーム
- 災害シミュレーションゲーム等で、災害に対する知識を備えるなど
- 知育ゲーム
- ゲームを通して、地理、歴史を学ぶ
- 健康増進
- 肥満解消
- 高齢者向けリハビリ
- 社会福祉
- バリアフリーエンターテイメント
ゲームという形態は、既存のエンターテイメントに拘ることなく、
もっと広い範囲で考えることが出来る。
マーケティング分析
マーケティング戦略の検討を行う場合、4 つの P から考える。
- Product : 製品
- どの市場、どの顧客に対して、どんな製品、どんなサービスを開発するか?
- 機能、品質、独創性
- 新たな製品の企画、開発
- Price : 価格
- 商品、サービスに対して、価格は適正か?
- 競合するものに対して、競争力にある価値か?
- 十分採算がとれるか?
- Place : 場所
- 顧客へ製品を円滑に売買するための流通経路を設定
- どのような流通経路とチャンネルを利用するか?
- どこで販売するか
- Promotion : 販売促進
- 顧客に対して製品の存在を知らせ、需要を喚起させる活動
- 広告パブリシティの活用、販売プランの策定
現状把握のフレームワーク
SWOT 分析
企業や事業の現状を把握するのに効果的なフレームワーク。
- S : Strength : 強み
- ゲームの良い点
- W : Weakness : 弱み
- ゲームの悪い点
- O : Opportunity : 機会
- ゲームジャンルが人気で伸びている等
- T : 驚異 : リスク
- プラットフォームの人気に陰りがある等
S、W は内部要因。O、T は外部要因。
3C 分析
環境変化のトレンドを、漏れのない視点で押さえる時に使う。
- Customer
- 市場規模、成長性、ニーズ、購買決定プロセス、購買決定者といった観点の分析
- Competitor
- 競合のか鮮度、他からの参入障壁
- 経営資源や構造上の強み、弱み、競合パフォーマンス
- 競合との比較は自社の相対的強みや弱みの抽出に役立つ
- Company
- 自社サービスの強み、弱みの把握
- 売上高、市場シェア、ブランドイメージ
- コストドライバー(価格優位性)の確認
ターゲットの設定方法
- なぜターゲットを設定するか?
- 人によって求めるものが違うから、ということを認める
- しっかりとターゲットを絞り込んで作った製品のほうが、結果的に売上が良い事が多い
顧客志向のマーケティングでは、確実に買ってくれるだろうというターゲット(ペルソナ)を設定する。
- ペルソナの設定項目
- 年齢、性別、住んでる場所
- 仕事、仕事内容、役職
- 生活パターン(起床時間、通勤時間、勤務時間、就寝時間、外食派、自炊派)
- 最終学歴
- 価値観、物の考え方
- 今課題として感じていることやチャレンジしたいこと
- 配偶者の有無、家族構成
- 収入、貯蓄性向
- 趣味や興味の対象
- インターネット利用状況、利用時間、所持しているデバイス -例:小中学生男子
- 全般的傾向:遊びたい盛で、ゲーム・漫画が好きな年代
- 生活スタイル:一日の半分は学校で友達と過ごし、家では家族と過ごしている
- 消費意識:友達同士での流行に敏感
- 消費行動:自分の欲しい物への購入意識は高い
- 雑誌:週刊誌などの漫画
- 遊び:TV ゲーム・トレーディングカードゲーム等
- ターゲットの遊ぶ状況
- 学校の休み時間や昼休み
- 放課後友達と集まったとき
- 家で家族や兄弟と過ごすとき
ターゲットのパラメーター
- 人口統計学的基準
- 年齢、性別、所得、家族、学歴、職業
- 心理的基準
- 趣味嗜好、ライフスタイル
- 行動学敵基準
- 使用率、ロイヤリティ
- 地理的基準
- 気候、地域
- 例えば、大阪なら甲子園のゲームやお笑いのゲームの売れ行きが良い
- 気候、地域
市場分析
最新のゲーム白書を参考にすること。
ソーシャルゲームは、若者より、年齢が上の人のほうがやっている。
マーケターからのゲームの面白さ分析
以下の要素が無いと売れない。
- 思考性ゲーム
- パズルなど、考えてもらうゲーム
- 行動性ゲーム
- アクションゲーム等、行動を楽しんでもらうゲーム
近年では、複合的な物が多い。
ちょっと分析が粗過ぎる気がします。マーケター視点では、ということを留意。