仕様書の作成
Last update: 2021/01/12 by 管理人
薄井和也氏(ペルソナ 2,魔剣 X)プランナーの講座メモ
仕様書とは
- 仕様書の必要性
- チームでものを作るとき、協業するのに必要
- 面白さについての明文化
- ビジネスが成り立つかどうかの判断
ゲームプランナーの役割
ゲームの仕様の策定・仕様書の作成
- アイデア出しも含まれる
プランナーの基本の仕事内容
- コンセプトの設定
- 注:解説にはあったが、これはプランナーの仕事ではなく企画のほうかも
- 仕様項目出し
- 何が必要かを網羅する
- 網羅するとボリューム感が分かる
- ボリューム感が分かるとスケジュールが引ける
- 仕様フォーマットを決定し、実際に作成する
- 決まったフォーマットはない。会社やゲームジャンルで異なる
- 伝える相手に伝わる内容、わかりやすさを重視する
- 相手とは、プログラマー、デザイナー、サウンドプランナー等
- 仕様の優先順位の決定
- 予算・納期との兼ね合い
- コア部分は最優先!後回しにすると切られるので先に作れ
- ゲームの面白さを損なわないように切り捨てる部分を判断する
- 切り捨てても、チャンスが有れば次回作で使おう
- 仕様に沿った指示出し
- コミュニケーションが大切
- 仕様書が完璧ということはない。柔軟に対応する
- コンセプトの設定
プランナーに必要な資質
- 昔に比べて検討すべき仕様が増えている
- 新しいことを柔軟に学び続けることが大切
- 工夫を忘れず、続けること
コンセプトの設定
- コンセプトとは、こうしよう!と思うイメージ
- コンセプトが安易だと、出来るものも安易
- 「魔物を倒そう」← ありがち…
- 「戦士としての成長物語をえがこう」← いいかも
- コンセプトが安易だと、出来るものも安易
- 仕様で迷子になった時に頼りになるのがコンセプト
仕様項目出し
プランナーはゲーム全体が分かってないといけない
項目は非常に多岐にわたる
- 項目出しの方法は人それぞれ
講師のやり方
- まずは必ずゲームに必要となる仕様から考える
- おおまかに思いつく限り箇条書きでリストアップ
- 全体を眺めて、整理する
- 仕様不足が無いかをチェックする
必ずゲームに必要な仕様
- 画面の仕様
- 操作の仕様
- 音の仕様
- よく後回しにされやすい
- ゲーム固有の仕様
- 特別な仕様は、かなり詳細に作成される
画面の仕様
- ゲームの各シーン・画面の仕様
- 画面遷移仕様
- かなり重要。コイツを見ればざっくり全体がわかる
仕様書フォーマット
決まった様式はない
講師が使っているオリジナルのフォーマット
- excel でバージョン管理して使う感じ
- 仕様番号・ID
- 概要
- 特定の仕様が必要な背景もちゃんと書くおもしろい
- 画面
- 操作
- フロー
- データ
仕様番号
- 仕様書の番号
概要
- 何をやるか
- この仕様がなぜ必要なのか
- 何が面白いのか
- 方向性・指針が書いてあるとチームワークとしての結束力が増す
画面
- モックアップ
- 配置などが分かれば良いので適当な図形で表現
操作
- コントローラーの絵と、リアクション
フロー
- フローチャート
データ
- 画像
- 音声
- データ
- リレーショナルデータベース
- キャラデータ
仕様の設計
- 最初の仕様で動かしてみて全然面白くないこともある
- 仕様は柔軟に変更される
- 仕様は面白さを追求していないといけない
- 仕様書の概要欄に面白さの追求を書き込む
- 誰に対して、どのような面白さを訴求しているのか
- プレイヤーがー求める面白さのものを作る
- 面白い仕様かどうかの判断
- ゲームの挙動を想像する
- その挙動でプレイヤーが楽しんでゲームをやれる姿が想像できる?また、面白みがうまく伝えられている?
- クリエイターの満足のために仕様を決めてしまうのは大抵ダメな仕様となる
- プランナーとしてはこれらの想像力を働かせることが大切
UI の仕様
- UI とは画面と物理 IF を介したユーザーとの情報のやり取り
- UI 操作の独自性も面白みにつながっている
- ねこを愛でるゲームでは、タッチよりもスクラッチ操作のほうが面白い
- 今どきの UI 設計
- タッチインターフェース主流
- タッチで画面が見えなくなる
- ボタンデザインに気をつけないと、どこを押して良いかわからなくなる
- タッチインターフェース主流
ビジネス観点の仕様
- ビジネスに係る仕様の策定も行う
- いわゆるガチャの仕様はビジネスにもろに関わる
- もちろんプランナーはこの仕様を決定する必要がある
仕様書を使ったチームワーク
- ゲームプランナーは、各技術専門以下の技量しか無いのに、指示を出さないといけない
- 仕様書を作成して、技術に投げるだけではダメ
- ならばどうすればよいか?→ 相談するしか無い
- すなわち、コミュニケーション能力が大切
ゴミ箱はイス
:担当の横にあるゴミ箱に座って気楽に相談できるのがよい状態
- 相談の仕方
- ざっくりでも良いので仕様書を持って相談
- 担当によって分かりやすい仕様書の形態が異なる
- 殆どの場合は、自分の作る部分の仕様書が気になる(当たり前だが)
- こういうことをしたいと言い、技術的な観点から回答を得て仕様をすり合わせる
- 専門家には敬意を払おう
- ざっくりでも良いので仕様書を持って相談
- 工程がある程度進むと仕様書のフォーマットを揃えたほうが良くなる
- ここらへんも柔軟に対応する、ということの一つ
仕様書の他の用途
- 攻略本作成時の資料として
- デバッグ時に利用
- 続編の作成時
仕様書を書く訓練
- プランナーは忙しすぎるので教育は殆どない
- 先輩プランナーの仕事を真似る
- 過去の仕様書を読み込む
- 他人の作成した仕様書を読むのは訓練になる
- 良い点、悪い点など、自分ならどうするか
- 市販ゲームをプレイして、仕様を考えてみる
- 仕様丸パクリは悪いが、じつは UI などはある程度共通の仕様のほうがプレイヤーに混乱が少ない